どーも。エクソロです。
これから予備試験の勉強を始めるKさんという方からお問合せメールをいただきました。
それで、回答していたらすごく良いコンテンツになったのでご本人の承諾を得て質問文も引用して今日は記事にしました。
これから勉強を始めるけど、どうやって勉強すればいいか迷っている人にはすごく貴重な記事です。
初めまして。ブログを拝見しこの度ご相談がありメールいたしました。
私は小さいながらIT系の会社をやっておりまして、新規ビジネスの兼ね合いから弁護士資格が無ければ出来ないビジネスのため司法試験を受ける運びとなりました。
ありがたいことに1年程度であれば専業で専念出来るため、まずは予備試験を1年半で通りたいという身の程をわきまえない希望があるのですが、オンラインで学びたく、色々情報を調べたところどこも情報が似ており、エクソロ様のブログを拝見し一番信用出来るブログであったことと、人柄に感動いたしました。ここまで努力出来るのは才能以外の何者でもありません。弊社の人材にスカウトしたいくらいです。
本題になりますが、
①初学者(法律は元から好きなのでアレルギーはない)
②1年半合格(時期的に)
③1日に使える勉強時間8時間〜10時間もし上記の条件でオンラインの講座を取るのであればエクソロ様でしたら何をとりますでしょうか。4S基礎講座7科目セット+アガルート重問+論証集の講座+予備論文過去問講座 の4つになりますでしょうか。
はじめまして。
KさんはIT関係の会社をされているんですね!
本当にすごいです。
ぼくはまだ個人事業主なので司法試験が終わったら法人化・組織化できるくらいまでビジネスで成果を出したいです。
(きのう司法書士の友達と久々に話しましたが、やはり弁護士資格はビジネスで最強みたいですね。)
オンラインで学びたく、色々情報を調べたところどこも情報が似ており、エクソロ様のブログを拝見し一番信用出来るブログであったことと、人柄に感動いたしました。ここまで努力出来るのは才能以外の何者でもありません。弊社の人材にスカウトしたいくらいです。
そんなふうに言ってもらえるのは大変光栄です。
勉強については地頭がないぶん必死に努力しました。
ただ、司法書士事務所は2週間でクビになっています。笑
最初に取る講座(BEXA「4S」と過去問講座)
もし上記の条件でオンラインの講座を取るのであればエクソロ様でしたら何をとりますでしょうか。4S基礎講座7科目セット+アガルート重問+論証集の講座+予備論文過去問講座 の4つになりますでしょうか。
最終的にはおっしゃる講座を取りますが、まずはこの3講座を取ります。
③アガルート予備論文過去問講座or その他の過去問講座
①4S基礎講座は解法パターンという論文答案作成における幹を学ぶために取ります。
アガルートの1年合格コースも実績があるようです(特にマネオプ)が、ぼくは4Sを知ったら4Sから始める気しかしません。
②「中村先生の過去問分析講義テキストデータ」は試験攻略において必須の過去問学習の際に使います。
4S基礎講座と同じ中村先生が作っていて一貫性があるし、わかりやすいです。
③予備過去問講座は、②がテキストデータだけで講義がないため、初学者が過去問をやる難易度を下げるために取ります。
基本的に最初はこの3つです。
ちなみに、アガルートの予備過去問講座は以前TACで中村先生がやっていた過去問分析講座(講義付き)と比べるとぼくの中ではだいぶ劣ります。
それほど過去問を素材に4S(4A)で解答プロセスを追っていく講座は素晴らしかったです。
一方で、同じ過去問を素材にしたアガルートの予備過去問講座は良くも悪くもコンパクトにまとまっており、(重問講義よりは丁寧ですが)4Sの過去問分析講義のほうがかなり初学者にやさしいと感じました。
アガルートは要点を抑えてきちんと解説してくれてわかりやすかったのはたしかです。
ただ、それは自分がある程度のレベルに到達していたからだと思います。
もっとも、中村先生の講義は現在ありません。
また、講義はないよりあったほうがいいです。
それらに加え、以下の理由から今ある選択肢の中ではアガルート過去問講座が最適解の1つだと思います。
- 講義では答案プロセスを多くは語らないけど、4ページにきっちり収まり出題趣旨に沿った完全解答案の1つが手に入る。
- のちに重問をやることを考えれば工藤先生の一貫指導を受けることになる。
- 個人別マネージメントオプションを受けたい場合は指定講座を3つ取らないといけないが、本講座はそのうちの1つ
アガルートのほかに考えられるのが加藤先生の講座と伊藤塾の講座です。
(全年度分解説している講座がほかには見つかりませんでした。)
まず以下の記事等から加藤先生の解答例もアガルートと同じく完全解の1つと言っていいです。
>>令和2年予備試験「民法」の参考答案・解説(解説動画あり)
一方で、伊藤塾もきっと解答例は良いのでしょうが、伊藤塾は解答例を作る人と解説をする人が違うということも聞くのでそこはネガティブです。
とにかくぼくはアガルートの過去問分析講座を買って満足しています。
あと、後から加藤先生の解答例を見たときに加藤先生のも良いなと思ったし、新たに「司法試験」の過去問講座を買う場合は加藤先生のものにしようかなと思っている自分もいます。
しかし、初学者は多くの人から学ぶのは良くないと思っているので重問をやる予定の初学者ならアガルートのほうが良いと思います。
そういう意味でもアガルートはおすすめです。
関連記事:【無料あり】予備試験論文過去問おすすめ予備校講座や解答・解説など
論パタ前のインプット(伊藤塾塾長か資格スクエア高野先生)
取る講座は上記3つが基本ですが、4Sの中村先生はインプットの前にいきなり論パタ講義で論文を解いていくスタイルなので
「初学者なら論パタ講義の前にインプットをしたほうがいいかも?」
と思うところがあります。
※中村先生は論パタ前のインプットは非推奨です。
ぼくの場合は司法書士合格後に4S基礎講座の論パタ講義を受講したので民法などの司法書士と被る科目はスムーズに論文講義に入っていけました。
一方で、司法書士と被らない刑訴、行政法、手形法は司法書士と被る科目と比べて講義の理解がイマイチだったので、「S式生講義」という市販の入門テキストでインプットしました。
実際にインプットした後はかなり講義が頭に入ってきたので、やって良かったです。
そのため、
「自分が初学者だったら民法なども含めて全科目インプットをしないといけなかったのかな?」
と考えます。
(とはいえ、民法などの「もともと知識があった科目」と刑訴などの「もともとの知識が乏しい科目」のギャップに違和感を覚えた可能性もなくはありません。)
ですので、ぼくが初学者で独学で挑むなら論パタ前のインプットのために「伊藤真の法律入門シリーズ」を読むと思います。
憲法を読んで憲法論パタ講義→民法を読んで民法論パタ講義、という感じです。
本シリーズは実況中継式ですごくわかりやすいです。
自分が使った「S式生講義」も良いのですが、改訂が滞っていますし、中身を読んでも「伊藤真の法律入門シリーズ」のほうが頭に入ってきやすいと思いました。
もしお金の余裕があれば予備校のインプット講座を取ってもいいかもしれません。
紙よりも講義のほうが楽だし、理解も捗るだからです。
個人的には資格スクエアの高野先生の基礎講座がわかりやすくておすすめです。
以前受講する機会がありましたが、わかりやすいし、どんどん頭に入ってきてさすがは伊藤塾で看板を張っていただけのことはあるなと思いました。
大学のクソつまらない講義を聴くくらいなら高野先生の講義を聴きたかったです。笑
(論パタも同じように思いますが、最初の導入には高野先生のインプット講義がいいと思います。)
ただ、資格スクエアのHPを見ると基礎講座を単品で売っているのかよくわかりません。
また、資格スクエアの基礎講座教材はおそらく予備校テキストではなく基本書です。
これはちょっと難点とも言えますが、最初の導入として資格スクエアの基礎講座を利用するだけであとは基本的に論パタ等を回していくので大きな問題ではないと思います。
(後述する通り条解講義・条解テキストもありますし。)
ちなみに中村先生の条解講義は初学者には合わず(少なくとも論パタ講義後の視聴を想定している)、また最初から最後まで聴くのには適さないと思います。
ぼくは憲法の論パタ講義後に憲法の条解講義を聴きました。
しかし、先生の言っていることが頭に入ってこず、
「身にならない。」
と思って憲法を最後まで聴いて民法以降は条解を聴きませんでした。
ただ、その後わからないことがあればポイントポイントで条解講義を聴きました。
その際に条文単位で無駄なく解説されている条解講義の素晴らしさに気づきました。
条解テキストももちろん素晴らしいです。
ずっと愛用しています。
とにかく条解講義は無料で全講義公開されているので実際に聴くのが一番だと思います。
(論パタや重問もまずは無料講義を視聴されるのがいいですね(^^))
>>【無料】4S基礎講座の体験講義を聴いてみる【BEXA公式HP】
アガルート重問と論証集講座について
④重問講座と⑤論証集講座
は優先度的には上記3講座に劣るので最初からは取らなくていいと思います。
ただ、論パタと過去問だけでは多くの人が合格には届かず、いずれはやることになると思うのでぼくの中では「取る講座」に入ります。
これは可処分時間が少ないとかは関係ありません。
論パタと過去問で合格まで届かないとすれば、可処分時間がいくらであれそれらだけをやるのは著しく不合理だからです。
4Sは解法パターンを網羅したものですが、論点知識の網羅性は乏しいです。
その論点知識を補強するのに重問は素晴らしく、ぼくは3ヶ月半で合格圏に行き、その1ヶ月後の論文本試験では1200位ほど順位を上げて合格できました。
参考:2年間ガチで勉強しても1534位だった底辺予備試験受験生が4ヶ月半アガルートの重問に取り組んだら下剋上合格した話。【評判と使い方】
重問と論証集はすぐにやらなければ、実際に必要になるタイミングまで待つと下記メリットがあります。
- アウトレットセールなどで今買うよりも安くなっている場合がある
- 今より新しいバージョンが手に入る場合がある
そのため、今必要でなければすぐに買う必要はありません。
それに、アガルートは教材が届く前でも問題を印刷することができるので申し込んだらすぐに受講開始できます。
だから本当に受講したいタイミングで受講できます。
ぼくはこれを知らず、重問テキストが届くまで1週間ほど非常に気を揉みました。。
問題を印刷できる点は普段の学習で問題文に書き込みながら勉強できるのですごく便利だし、学習効率も高まります。
あと、重問を購入してもう1つ後悔があります。
それは当初アウトレットではなく、最新版の重問を購入したことです。
ぼくが重問を買ったのは2月で当時の最新版の重問講座は刑事系と公法系の教材発送・講義配信がまだだったんですよね。
それを知ったのは届いた教材が民事系だけで少なかったからです。
完全にこちらのミスなのですが、事情を伝えて最新版を返品してアウトレットを注文し直す手続きを迅速・丁寧に対応していただきました。
アガルートはこういう細かいところまで速攻でやってくれるからすごいし、そんな組織を数年で構築した工藤先生はもっとすごいです。
全科目をバーっとやりたい人は、最新版は教材等がまだなこともあるので気を付けてください。
ちなみにぼくがアウトレットより高い最新版を当初買ったのは、最新版のほうが講義も教材もブラッシュアップされていて書き換えの手間などもなく結局安いと思ったからです。
>>アガルートのセール情報について詳しくはこちら【公式HP】
なお、重問等に移るタイミングはすごく難しいのですが、自分だったら論パタを3周はすると思います。
そして重問は4Sの処理手順で解きまくります。
関連記事:4S論パタ生のぼくがアガルート重要問題を使って最も実力が伸びた科目【評判】
実務基礎科目・選択科目について
今まで法律7科目の話をしてきましたが、実務基礎科目対策が予備試験合格には肝になってくると思います。
実務基礎は民事も刑事も事前準備の要素が大きく、ちゃんと準備すれば高評価が取れる科目だからです。
個人的には過去問をとにかく潰すのがおすすめです。
民事は大島本も必要だと思います。
この辺もまた記事に書けたらと考えています。
ちなみに、選択科目が予備試験でも来年から導入されますが、ここも狙い目だと思います。
受験歴が長い方でも基本的に選択科目の勉強はしていないので、スタートラインが同じだからです。
再来年も状況は大きくは変わらないと思います。
すごく長くなってしまいました<m(__)m>
また何かあれば、コメントかメールでお問い合わせください。
よろしくお願いします。
ぼくの重問の始まり