令和2年予備論文試験再現答案:行政法

設問2

「処分」(行訴法3条2項)とは、①公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち②直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものと解す。

本件通知(以下「T」)は、①その相手方の意思にかかわらず、A市という地方公共団体の機関たるA市長が公権力の主体として行うものだ。

②TについてA市(以下「A」)は法的効果のない事実行為と主張するだろう。

しかし、第3処分場を設置するための土地の区画形成の変更も「開発事業」(条例(以下「J」)2条1項1号)だから開発「許可」(法29条1項)の申請に先立ってA市長と事前「協議」(J4条)をしないといけないが、Tはこの協議をしない旨のA市長の意思の表れだ。この協議をしないと、A市長から「勧告」を受けるおそれがあり(J10条1号)、この勧告を受けた者は開発事業の工事の「中止~命令」(J11条)がされるおそれもある。

これに対してAは10条には「又は」、「できる」とあるからA市長に効果裁量が、11条には「正当な理由なく」という抽象的文言があるから要件裁量が、「又は」、「できる」とあるから効果裁量があるため、上記命令がされるのはおそれにすぎないと言うだろう。

しかし、第2処分場(以下「処分場」略)の設置にかかる開発事業は法の規定に照らして適法であり、たとえ周辺住民の同意がなくても、A市長は拒否できないものだった。なのに、A市は周辺住民の強力な反対を考慮し、Bとの間で本件条項を含む開発協定を結んだ。とすると、A市長は、Bが協議をしなかったら勧告をし、中止命令もする蓋然性が高い。そんな中止命令等が出される蓋然性が高い中で第3を設置するのは工事費用(憲法29条1項)がムダになるリスクをはらむため、実質的に権利を害しているといえる。また、令和2年になり第2がその容量の限界に達したため、第3を設置できないと、平成15年から産業廃棄物処理施設を営むBの自由(憲法22条1項)も害する。上記の通り、Tが出された時点で工事費用が無駄になるリスクをかかることになるからTを争ってBの権利を救済する必要もある。

よって、Tは直接Bという国民の財産権・営業の自由と言う権利の範囲を確定することがJ4・10・11条で認められているといえる。

以上のことから、Tは「処分」に当たる。

設問1

行政上の法律関係の早期確定という趣旨から(行訴法14条参照)、本件条項が国民の権利義務を形成等するなら法的拘束力が認められると考える。

ここで、国民の権利・自由を保障しつつ、多様で流動的な行政需要にこたえるため、国民の権利を制約し、義務を課す行政行為には法的根拠を要すと解す。

本件条項を含む開発協定は法やJに根拠はなく、法33条1項とJの定める基準には本件条項に関係するものはない。とすると、本件条項は国民の権利を制約し、義務を課す行政行為ではなく、国民の権利義務を形成等するものでないから、法的拘束力は認められない。

本件条項はBとA市が対等な立場で結んだ契約である。

【感想】

設問1はよくわからなかったので、過去問でよく出る処分性が問われた設問2から着手。

憲法が早く終わったので、90分近く時間をかけられた(けど、できはイマイチ)。

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