令和2年予備論文試験再現答案:民法

設問1

本件消費貸借契約(587条)という「意思表示」(99条1項)の際、BはAの代理人であることを示した(顕名)が、当時Aは意識を失っていたのでBに任意「代理~権限」はないし(3条の2参照)、まだ後見人に就任していなかったので法定「代理~権限」もなかった。とすると、同契約は「代理権を有しない」Bが「他人」Aの「代理人としてした契約」だから「本人」Aの「追認」がないとAにその効力が生じない(113条1項)。

その後BはAの後見開始の審判(7条)により、後見人に就任した。そのため、CのBに対する貸金返還請求に対して代理人として「本人」Aに代わり「追認」拒絶できるとも思える。

しかし、後見人が追認拒絶できるかは具体的状況に応じて信義則(1条2項)で妥当な結論を導くべきだ。

たしかに同契約当時BはAの代理人ではなかったが、Aの娘であり、時折高齢のA宅を訪問して様子を見るようにしていたため、Aの事実上の代理人だったといえる。また、CはBから資金調達のあてがなくて困ってることを聞き無利息で100万円を貸した。さらに、その100万円はAの入院費用の支払いに充てられた。とすると、後見人Bが追認拒絶するのは信義則に反するため、拒絶はできず、追認したとみなされ同契約は契約時に遡って有効となる(113条1項反対解釈、116条本文)。

同契約は「返還の時期を定めなかった」から「貸主」Cは「返還の催告」をして「相当の期間」が経過すれば、本問請求は認められる(591条1項)。

設問2

本問請求はAのEに対する所有権に基づく妨害排除請求(202条、198条1項)と構成したものをDがAに代わって行使すると考えられる。

この請求にはAの本件不動産(以下「H」)所有権が必要だが、認められるか。

EはHが3000万円相当の価値と知っていたが、AをだましてHを安く買い受けようと考え、様々な虚偽の事実を並べ立ててHの価値は300万円を超えないと言葉巧みに申し向けたから、Eは故意に「欺」もう行為をしたといえる。これにより、AはH価値は300万円を超えないという動機の錯誤に陥り、本件売買契約(以下「K」)という「意思表示」をした(96条1項)。よって、「瑕疵ある意思表示をした」AはKを取り消すことができる(120条1項)。

Aに対する500万円の貸金「債権者」Dは、AにH以外にめぼしい財産がないため、「自己の債権を保全するため必要があるとき」といえ(423条1項本文)、「債務者」Aに属する上記取消権という「権利」を行使できる。

よって、Kは遡及的に無効となるため(121条)、H所有権は元々Aにあったことになる。

Hに本件登記があるため、EはH所有権を妨害している。

よって、AのEに対する所有権に基づく妨害排除請求ができ、これを上記と同じようにDが行使できる。

よって、Dの本問請求が認められる。

錯誤取消しと構成して、同じようにDの本問請求が認められる。

AはHを300万円を超えないと思ってたが、実際は3000万円の価値があったので、「表意者」AがKという「法律行為のキソとした事情についての認識が真実に反するサクゴ」がある(95条1項2号)。お金に困ってるAが価値の10分の1で売る理由はないので、上記「意思表示」は同「サクゴ」に基づく。高価な不動産売買で価格は重要なので、そのサクゴがなければ通常人はそのような意思表示をしなかっただろうと認められるほど「そのサクゴが法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要」だ(同条1項柱書)。事実7から事情が法律行為のキソとされていることが黙「示」されていた(同条2項)。よって、これを取り消すことができる(121条)

時間:1時間19分ほど

【感想】

民訴の時間を少し充てて書いた。

設問1は本人のこともちゃんと考えて書けばよかった。

「『本人』Aも信義則上拒絶できない」とか。

設問2は物権的請求しか思い浮かばなくて(詐害行為は違うと思って)、物権的請求の中で詐欺・錯誤取消しを書いた。

まず詐欺を書いて、民訴を(書くこと分からなくて)1時間で終えて、「複数の法的構成」といえばもう錯誤しかないと思い、錯誤を書いた。

時間がなさ過ぎて、結論先出し、「錯誤」を「サクゴ」と書くなどパワープレイで形にした(つもり)。

最後の「。」を書く時間もなかった。

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